「アンチエイジング(抗加齢)とストレス」

-ストレスがなければ長生きできる??-


■ストレスが心と身体をむしばむ
厚労省が5年ごとに実施しているアンケート調査で、日本の労働者の約60%がなんらかのストレスを感じているということがわかりました。まさしく、現代の日本社会はストレス社会なのです。
職場での人間関係、家庭環境、受験勉強などストレス源はいくらでもあります。
ストレスは、不安感や抑うつ感そして焦燥感などの心理的変化を引き起こし、倦怠感や動悸そして頭痛などの身体症状を誘発します。
なぜストレスがこんな症状を引き起こすのでしょうか?
脳がストレスを感じると、このストレス情報は自律神経を介して胃や腸などの臓器に伝えられ、生理的変化を起こさせます。さらに、免疫機能も低下させ、分泌されるホルモンにまで大きな影響を与えます。だから、強いストレスを受けると、胃潰瘍ができたり風邪をひきやすくなったりします。最新の研究では、かなり多くの病気の発症がストレスに起因していることもわかってきました。


■アンチエイジング
最近、アンチエイジングという言葉をよく耳にします。どうすれば長生きできるのか...これを医学的に研究する『アンチエイジング学会』というものもあります。今から2200年前、中国の秦の始皇帝が「東の国に不老長寿の薬があるから探して来い」と部下の徐福に命じ、徐福は長い旅の果てに日本にたどり着いたという徐福伝説があります。実際、今や、日本は、世界に冠たる長寿国になっていますが、果たして現在のストレス社会にあって、今後、日本人が長く生きるためには、どうすればいいのでしょうか。


■適度なストレスは免疫機能を高める
ストレスがなければ人は長生きできるかというと、そうではありません。
以前、この連載で書きましたが、漁師さんがナマコを船底の生けすに入れてもって帰る時、そのままにしておくと死んでしまうのに、生けすにナマコの天敵であるカニを1匹入れておくと、ナマコは港に帰ってもイキイキしているそうです。適度なストレスは生体防御機構を高めるために免疫機能を高くさせますが、過度のストレスは免疫機能を低くさせ、生体防御機能を低下させます。
実は、ストレスには、快ストレスと不快ストレスの2種類があるのです。同じストレスでもある人には快ストレスとなり、別の人には不快ストレスになるなど、個人差がありますが、強くて長く続くストレスはだれにとっても不快ストレスには違いありません。例えば、何年も浪人を続けている受験生や家庭内別居でほとんど会話のない夫婦などは、とても強い不快ストレスを受け続け、いずれは心や身体に何らかの障害を生じてくるでしょう。


■腹八分目は長生きの秘訣
最新の研究で、酵母の細胞を実験室で培養するとき、培養中の栄養を少なくすると細胞の分裂回数が増えることがわかりました。さらに、サルやマウスを低栄養下で飼育すると長く生きることも実験で実証されています。以前、テレビ番組で長寿の方にその秘訣をたずねたところ「粗食」とか「腹八分」という答えが返ってきました。
生き物は、栄養条件が悪い状況下では、種を保存するために代謝活動を低下させて長く生命を保つように変化するのです。いわゆる省エネモードになるわけです。
そういえば、比較的やせ型の人(省エネタイプ?)に長寿の人が多いですよね。


 さっそく、今日から快ストレスを享受しながら、腹八分目の食事で長生きしようではありませんか!

このブログ記事について

このページは、心療内科広島が2010年3月15日 15:05に書いたブログ記事です。

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